日産がプロパイロット2.0発表！初搭載は2019年秋のスカイラインから！
日産自動車が世界に先駆けて、自動運転化技術の「プロパイロット2.0」を発表しました。
初めて導入されるクルマは「スカイライン」。
「プロパイロット1.0」搭載のセレナに乗っていた経験から、「プロパイロット2.0」になって何が進化したかをまとめていきます。
「プロパイロット2.0」は、高速道路の複数車線をナビゲーションシステムと連動して設定したルートを走行し、ドライバーが常に前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じ直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて、同一車線内でハンズオフが可能となる世界初の運転支援システムです。条件が整えば、写真のようにハンドルから手を放しても自動で高速道路を走行できるので、より高速道路での走行の負担が減ります。
「プロパイロット2.0」のメカニズム
「プロパイロット2.0」では、ナビゲーションシステムで目的地を設定し、高速道路の本線に合流するとナビ連動ルート走行を開始できます。ルート走行を開始すると追い越しや分岐なども含めてシステムがルート上にある高速道路の出口までの走行を支援し、ドライバーが常に前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じ直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて同一車線内でハンズオフ(手放し運転)が可能となり、ドライバーの運転操作を幅広く支援します。
また、ナビゲーションと周囲360度のセンシング情報に基づいて、ルート走行中の分岐や追い越しのための車線変更の適切な開始タイミングをシステムが判断し、ドライバーに提案します。そして、ドライバーがハンドルに手を添え、スイッチ操作で承認することで、車線変更支援を開始します。
これだけの運転支援が可能なのは、車両に搭載したカメラ、レーダー、ソナー、GPS、3D高精度地図データ（HDマップ）を組み合わせて使用することで車両の周囲360度の情報と道路上の正確な位置を把握しているからです。あわせて、高速道路上で周囲の車両の複雑な動きをリアルタイムで把握することで、熟練したドライバーが運転しているような滑らかな走行を実現します。また、ドライバーモニターカメラを装備しており、ドライバーが前方を注視しているか常に監視します。
「プロパイロット2.0」の5つの機能
①車速・車間制御機能
ドライバーがスイッチ操作でナビ連動走行を開始すると、ドライバーが設定した速度を上限に、先行車両との車間距離を一定に保ちながら車線中央を走行するよう支援してくれます。
②車線中央維持機能
ドライバーがセットした車速で車線中央付近を走行するようにステアリングを制御し走行してくれます。制限速度を検出した場合、その速度を自動的に設定車速にすることができます。
③追い越し支援機能
前方にドライバーが設定した速度より遅い車両が走行している場合、システムが追い越し可能と判断するとディスプレイへの表示と音でドライバーに提案してくれます。ドライバーがハンドルに手を添えてスイッチ操作で承認すると、右側の車線へ車線変更し、追い抜きが完了すると、車線変更可能なタイミングをシステムが判断し、同様の操作で元の車線へと戻ります。
④車線変更支援機能
ドライバーが自分の意思で車線変更を行いたいときには、ハンドルに手を添えて方向指示器を操作し、システムが車線変更可能と判断すると車線変更します。
➄ルート走行支援機能
ルート上の高速道路出口に近づくとディスプレイの表示と音でドライバーにお知らせし、連絡路へ分岐した後、ナビ連動ルート走行を終了します。
プロパイロット1.0から2.0への変更点は？
①車間・車速制御、②車線中央維持機能は「プロパイロット1.0」にも搭載されていた技術。今回のシステムアップデートでより繊細な制御となっていると思いますが、これは従来の機能とそこまで変化はありません。
大きく変わった点は、③〜⑤です。
③追い越し支援機能、④車線支援機能は既存技術のBSM(後方車警告装置)を進化させて、全方位のクルマの位置を特定するからこそ出来た技術なのでしょう。
また、⑤ルート走行支援機能については、GPS、3D高精度地図データ（HDマップ）に寄るところがとても大きな機能と思われます。
気になるお値段は？
セレナに「プロパイロット1.0」を付けるのには、243,000円(税込)のセーフティパックBを付ける必要がありました。
今回の日産の発表を見ると、システム作動にはセンサーの他に、GPS、3D高精度地図データ（HDマップ）が必要ということがわかります。
と言うことは、「プロパイロット2.0」をスカイラインにオプションとして付けるにはカメラやセンサー類と3D高精度地図データ（HDマップ）に対応したナビが必要だあると推測されます。
「プロパイロット2.0」は、先進安全技術でこれからの自動運転化の未来にとって大きな技術だと思いますが、結構なお値段がしそうですね。(オプションで50〜100万くらいかも？)
しかし、メーカーのスカイラインの購入層の想定は、「年齢でいうと40代前半の男性。共働きの奥さんがいて、娘が1人。外資系企業で管理職をしており、非常にタフな環境の第一戦（線）で活躍している人。都心のタワーマンションに住んでいる」というものもあり、金額よりも先進安全技術を搭載しているというアピールも兼ねての発表なのではないでしょうか？
「プロパイロット2.0」が普及して、システムのコストダウンがされたら普及価格帯のセレナやエクストレイルなどにも搭載されそうですね。
そうなったらどんどん交通事故のない安全な世の中になっていくのかもしれませんね。
安全なクルマ社会を目指して、どこまでも頑張って欲しいと願って結びとさせていただきます。
